サンクコストに囚われた赤字経営者の話

サンクコストとは埋没費用のことで、店舗経営者の場合であれば開業費などがこれにあたります。

 

店舗を運営する場合、開業費は最低でも数百万円から数千万円が掛かる訳ですが、お客様がたくさん来てくれて黒字経営になった場合には、結果的にはこの費用は無駄ではなくざっくりいうと回収可能ということになります。

赤字経営が続き店舗を閉鎖した場合は、極端な話、開業費もろとも何もかもが全くの無駄な出費だったということになってしまうのです。

 

時々、新しくできたレストランが半年後に潰れていたなんてことありますよね。

これはその経営者がサンクコストに囚われなかったからこそできた判断だと言えます。

 

もちろん、その経営者も夢や希望を持ってレストランを始められたことでしょうからたった半年で店舗閉鎖という道を選択せざるを得なかったという結末は悲しいことだったと思います。

 

しかし飲食店などは開業費の他に店舗の賃料・従業員の給料・材料費などの原価・廃棄コストなどが毎月必要になってきますから、そのまま続けていけばさらに赤字は膨らんだことでしょう。

 

そう考えると正しい決断だったと言えますよね。

 

 

問題は、赤字続きなのにサンクコストに囚われ過ぎている経営者です。

 

普通は赤字続きならば資金繰りが悪化して、事業の継続はどこかでストップするはずなのですが、開業費に数百万円も掛けた店を閉めることが耐えられないという理由で経営者が別の仕事をして、そのお給料を店舗の資金繰りに充てているというケースがあります。

 

せめて、店舗に関係する仕事内容でお給料をもらっているのならまだわかりますが、賃料を払うために事業とは全く関係のない掃除のバイトと事務のバイトをしている経営者がいると知った時は、そこまでして経営者でいる意味ってあるのだろうかと思いました。

 

開業費に費やしたお金が惜しいという理由で店舗を閉鎖できずに、バイトでお金を稼いでまで続けようとする気持ちはある意味凄いことなのかもしれませんが、サンクコストに囚われすぎるとこうなってしまうのだなという実例を見てしまって心がザワつきました。

 

私はその話を聞いて痛ましささえ感じましたが、経営者が別の場所でバイトをしている日は店舗は閉まっている訳ですから、当然お客様からすると不都合な店舗に映る訳で益々客足が遠のき赤字が増えるという負のサイクルにもなってしまいますよね。

 

一時の赤字ならバイトでしのげるかもしれませんが、サンクコストの呪縛から逃れられず累積赤字を出してしまう人は、経営者には向かないような気がします。

 

「カフェをしながらお料理教室もする」とか「雑貨店をしながらランチも出す」みたいなことならいいと思うのですが、さすがに経営者がバイトに行くのは「う~ん?」って感じですね。